ノートクとは

 みなさんはじめまして。ノートク・バンガードデバイス代表の長嶋智久です。栃木県宇都宮市のトマト農園「絹島グラベル」の代表でもあります。この度、令和2年11月に合同会社ノートク・バンガードデバイスを設立いたしました。

 近年、施設園芸の世界においてのICT化は目覚ましく、多くの研究がなされ、最新の技術が導入されています。AI、ロボット、深層学習など、最新のデバイスの多くは、仮に実用化されたとしても非常に高価なことが多く、我々農家には高嶺の花になってしまうことも。

ポイント1:できるだけ初期費用だけの決済で販売します。

 多くの農業用ICTソリューションの対価が初期費用(イニシャルコスト)だけの支払いではなく、継続支払い(サブスクリプション)になっています。様々な経営安定化の制度や、各農家の経営努力で農業収入は昔から比べると安定するようになってきましたが、基本的に農業の収入は天候や市況に影響されるもので、サブスクリプションとの相性に疑問を感じます。ノートク・バンガードデバイスでは「農業者が導入できるイニシャルコスト」にフォーカスした開発・販売を行います。

ポイント2:価格低減のため、センサー類の完璧な精度は求めません。

 綿密な環境制御のためには、現在のハウス内の温度が28.0℃なのか、28.1℃なのか正確に把握することが必要かもしれません。精度の高い温度計で正確な数値を計測するのが基本です。しかし、パイプハウスなので施設が何か所も分かれている場合、棟の数だけその高価な温度計を買うことは難儀です。完璧な精度ではなくても、コストパフォーマンスに優れたセンサーがあれば、何個も導入することは容易です。ノートク・バンガードデバイスではそのような発想で農業者が導入しやすいセンサー、ハードウェアをご用意します。すでに一流メーカー製の環境制御機器、環境モニタリング機器をお持ちの方は、それらの機器を精度の高いメインのセンサーとして一点計測していただき、弊社のセンサーをサブモニタリング機器として複数点で計測していただく使い方もあります。

ポイント3:農閑期ソーシングの生産コスト低減

栃木でも近年の夏の暑さは厳しく、午前10時を過ぎるとハウスの中で作業をするのは危険な暑さになります。私も盛夏収穫の作付けに挑戦しましたが、毎年その作付けは厳しさを増しています。私が経営する農園「絹島グラベル」では、作付けの主軸を越冬作にし、トマトにまつわる仕事を冬にシフトしています。そして、夏場トマトの仕事が減ったパートさんたちに、ノートク・バンガードデバイスとしてハードウェアの制作をしてもらっています。(ソフトウェアは私が夜なべして組んでいます)農業の農閑期に他業種へ労働力をシフトする「農閑期ソーシング」により、ハードウェアの制作のための専属労働力確保を抑えることで、生産コスト低減を実現しています。